予算と実績:PTA収支会計の予算実績分析のポイント

PTAの会計担当者として、年度末には収支会計の報告書を作成する必要があります。しかし、単に収入と支出の金額を記録するだけでは、PTAの活動の効果や問題点を把握することはできません。そこで、収支会計の予算実績分析を行うことが重要です。予算実績分析とは、予算と実績の差異を分析し、その原因や対策を考えることです。この記事では、PTAの収支会計の予算実績分析のポイントを紹介します。

予算の作成方法

予算実績分析を行うためには、まず予算を作成する必要があります。予算とは、PTAの活動にかかる収入と支出の見積もりです。予算を作成する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 過去のデータを参考にする:過去の収支会計のデータを参考にして、収入と支出の傾向や変動要因を分析します。例えば、会費の徴収率やイベントの参加者数、資材の消耗量などを確認します。また、過去の予算と実績の差異も分析して、予算の精度を高めます。
  • 目標や計画に基づく:PTAの目標や計画に基づいて、収入と支出の項目や金額を設定します。例えば、新しい活動や事業を行う場合は、その目的や内容、必要な資金や人員などを考慮します。また、既存の活動や事業についても、改善や継続の可否や方法を検討します。
  • 余裕を持たせる:予算はあくまで見積もりであり、実際には予想外の事態が発生する可能性があります。そのため、予算には余裕を持たせることが望ましいです。例えば、収入については、会費の未納や寄付の減少などを想定して、控除率を設定します。支出については、物価の上昇や資材の故障などを想定して、割増率を設定します。

予算を作成したら、PTAの役員会や総会で承認を得ることが必要です。また、予算は年度の途中で変更することができますが、その場合は、変更の理由や内容、影響などを明確にし、再度承認を得ることが必要です。

実績の記録方法

予算と実績を比較するためには、実績を正確に記録する必要があります。実績とは、PTAの活動にかかった実際の収入と支出の金額です。実績を記録する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 領収書や領収証を保管する:収入や支出の金額を証明するために、領収書や領収証を保管することが必要です。領収書や領収証は、収入や支出の項目や日付、金額、相手方の氏名や印鑑などが記載されているものでなければなりません。また、領収書や領収証は、整理しやすいように、収入と支出で分けて、項目や日付順にファイルに入れておきます。
  • 帳簿に記入する:領収書や領収証をもとにして、帳簿に収入と支出の金額を記入します。帳簿には、日記帳と総勘定元帳の2種類があります。日記帳は、収入と支出の金額を日付順に記入するものです。総勘定元帳は、収入と支出の金額を項目別に集計するものです。日記帳と総勘定元帳は、互いに対応させることで、収支のバランスを確認することができます。
  • 報告書にまとめる:帳簿に記入した収入と支出の金額をもとにして、報告書を作成します。報告書には、収支計算書と貸借対照表の2種類があります。収支計算書は、収入と支出の金額を項目別に表示し、その差額を計算するものです。貸借対照表は、資産と負債と純資産の金額を項目別に表示し、その合計を計算するものです。収支計算書と貸借対照表は、互いに対応させることで、PTAの財政状況を把握することができます。

報告書を作成したら、PTAの役員会や総会で報告することが必要です。また、報告書は、会計監査委員による監査を受けることが必要です。監査は、収支会計の正確性や適正性を確認することを目的としています。

予算実績分析の方法

予算と実績を比較し、その差異を分析することが、予算実績分析の方法です。予算実績分析を行う際には、以下の点に注意しましょう。

  • 差異の種類を区別する:予算と実績の差異には、2種類あります。一つは、予算の見積もりが不正確だったことによる差異です。これを予算差異と呼びます。もう一つは、予算通りに活動を行ったにもかかわらず、外部の要因によって収入や支出が変動したことによる差異です。これを実績差異と呼びます。予算差異と実績差異は、それぞれの原因や対策が異なりますので、区別して分析することが必要です。予算差異は、予算の見積もり方法や精度を改善することで、減らすことができます。実績差異は、外部の要因に対応することで、収支のバランスを保つことができます。
  • 差異の大きさと方向を評価する:予算と実績の差異の大きさと方向を評価することで、収支の状況を把握することができます。差異の大きさとは、予算と実績の金額の差額のことです。差異の方向とは、予算と実績の金額の大小の関係のことです。差異の大きさと方向によって、差異は以下の4種類に分類できます。
    • 正の予算差異:予算よりも実績が大きい場合で、収入においては望ましい差異ですが、支出においては望ましくない差異です。例えば、会費の徴収率が予想よりも高かった場合や、イベントの開催費用が予想よりも高かった場合などです。
    • 負の予算差異:予算よりも実績が小さい場合で、収入においては望ましくない差異ですが、支出においては望ましい差異です。例えば、会費の徴収率が予想よりも低かった場合や、イベントの開催費用が予想よりも低かった場合などです。
    • 正の実績差異:予算通りに活動を行ったにもかかわらず、収入が増えたり、支出が減ったりした場合です。例えば、寄付の受け入れが予想外に多かった場合や、資材の消耗が予想外に少なかった場合などです。
    • 負の実績差異:予算通りに活動を行ったにもかかわらず、収入が減ったり、支出が増えたりした場合です。例えば、寄付の受け入れが予想外に少なかった場合や、資材の消耗が予想外に多かった場合などです。

差異の大きさと方向を評価することで、収支の良し悪しや改善の必要性を判断することができます。また、差異の大きさと方向に応じて、差異の原因や対策を考えることができます。

  • 差異の内訳を分析する:予算と実績の差異の内訳を分析することで、差異の詳細な原因や影響を把握することができます。差異の内訳とは、差異を構成する要素や項目のことです。差異の内訳を分析する方法には、以下の2種類があります。
    • 水平分析:同じ項目の予算と実績の差異を分析する方法です。例えば、収入の項目において、会費や寄付や補助金などの予算と実績の差異を分析します。水平分析を行うことで、収入や支出の増減の要因や割合を把握することができます。
    • 垂直分析:異なる項目の予算と実績の比率を分析する方法です。例えば、収入の項目において、会費や寄付や補助金などの予算と実績の比率を分析します。垂直分析を行うことで、収入や支出の構成や変化を把握することができます。

差異の内訳を分析することで、収支の強みや弱みや傾向を把握することができます。また、差異の内訳に応じて、差異の改善策や予防策を考えることができます。

まとめ

PTAの収支会計の予算実績分析は、PTAの活動の効果や問題点を把握するために重要な作業です。予算実績分析を行うには、予算の作成方法、実績の記録方法、予算実績分析の方法について、注意する点があります。予算実績分析を正しく行うことで、PTAの財政状況を改善し、PTAの目標や計画を達成することができます。PTAの会計担当者として、予算実績分析のポイントを押さえて、PTAの活動に貢献しましょう。

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